卒業式

何となく、、、何となく子どもをもってしまった。
どうしよう。。生まれてきちゃう。

3日間の微弱陣痛でふらふらになって、促進剤で一気にきた痛みと、生まれそうなのにもう少しがまん。。という究極の時間の中で、もうひとりの私が、さて、どうしようか。。。と途方にくれていた。

もう、いきんでいいといわれ、1分間間隔になった陣痛とともに、う~~んう~~んとやっていると先生が「ほら!もう少し!!お母さんになれるぞ!!」
と私を励ましてくれた時、、

「え~~~~~!!ちょっとまって、やっぱりやだ!!!!!!!」


と叫びそうになった。


手足をびゅんびゅんさせて、べたべたのままおぎゃおぎゃーと泣く得体のしれないものを胸の上に置かれたとき、はじめて浅はかな思いを後悔した。
どうしよう。。。とんんでもない足かせを私は自分にはめてしまった。



長男が生まれた時、私は後悔の念しかなかった。
もっと、遊んでおけばよかった。
もっと、自分を大切にいろんなことをしておけばよかった。
もっと、好きな人を好きになることに臆病にならなければよかった。
もっと、もっと、もっと、

まるで、その日で私の人生が終わってしまったかのような、そんな残念無念な思い。


後悔して、毎日がどんより死にたくなるほど嫌な気持ちのまま長男を腕に抱く。
ふとした時に、涙がこぼれてくる。
「どうしていいか、わからないよ。。。ごめんね。ごめんね」って。

すると、長男が腕の中から、まっすぐに私の目をみている。
まっすぐ、まっすぐ。
「あ、なんだか今すごく愛おしいと思った」

抱っこすれば、必死にしがみついてくる小さな手。
お風呂が嫌だとギャーギャー泣く顔。
白湯がまずいとぶぶぶぶぶぶ吐き出す口。
少しずつ、少しずつだったけど、
私はこの世でかけがえのない「宝物」を手にすることができたと実感していった。

そして、私はちゃんと「愛せる」人間だったことを知っていった。


今年、その第1子が24歳になる。彼を生んで途方に暮れていたあの歳に。


長男を見ていると、まだまだ子供で、こんな子供が結婚なんてしたらダメだわ。そりゃダメだわ。
と改めておもう。
そして、あの24年前から、なんだかずいぶんがんばってきたなあと、つくづく思う。

みんなが反対した結婚。
大人として認めてほしかった私は「結婚」くらいできるわよ!
と意地になっていた。

好きだったんでしょ?と言われたら、ほんと申し訳ないがそんなに好きでないから結婚相手に向いていると思ったのが正直な気持ち。
だって、大好きな人だったら毎日一緒に暮らしたら心臓が持たないと思ったから。

幼い。。ほんと幼い。
でも、神様はそんな未熟な幼い私に、3人も男の子を授けてくれた。
「たくましくなりなさい。愛されている存在だと自信をもちなさい」
と言われたみたいに。


私は息子たちが自分で食べていけるようになるまでは、死ねないな。と思った。
もし今死んだら、、夫はまっとうに息子たちを育てていけると思わなかったし、実家の父母に育てられたら私のようになっちゃうと思ったし、やっぱり私は当分死ねない。
いつ、私がいなくなっても彼らが生きていけるようになるまで死ねないな。
と思った。

そして、もしかしたら、もしかしたら何かあるかもしれないし、、と
今日突然私に何か会った時でも、彼らが寂しくないようにするにはどうしたらいいか?
そんなことも考えてた。

それは、きっと、とても幸せだったからだと思う。
息子たちとの時間がとても幸せで。そんな幸せがいつまで続くのか不安だったともいえる。
とても幸せだったから、もし自分が死んだら。。なんて考えるのが怖かったんだと思う。
生きていたい。
そう思ってたんだと思う。

息子たちが社会に出ていくまでは。



そんなたいそうなことを思って育ててきたら、とうとう全員社会人になるときが来てしまった。



あら~~~ん。
さて、と。
私はどうする?
え~~~~~っと。。。



昨日1年留年した長男が無事卒業式を終えた。
本当に卒業できるんだろうか?大丈夫なんだろうか?
そんな不安を抱えながらきた1年はしんどかった。
信じたいのに信じられない。
もっと、私のことを安心させてよ。
でも、長男もしんどいはず。
ぎゃーぎゃー言っても始まらないし。。
と悶々と過ごしてた。

そんな日が昨日「終わり!!」と幕が下ろされた。

長男を送っていった駐車場で、いっぱいこみあげてくる思いがあって、涙がポロポロとでて、なかなか車を発進することができなかった。
「よ~~~がんばったじゃないか」
久しぶりに晴れた空が私をほめてくれているような
なにがどうってことじゃなく、涙がポロポロポロポロでた。

そして、涙がおさまったころ
24年間ピンピンに張っていた糸が急にふっとゆるんだ気がした。

息がとたんに深くなった気がした。


あ~~~もう、生きなくっちゃ!って思わなくてもいいんだ。
死んじゃいけない!!って思わなくていいんだ。

いつ死んでもいいし。
深く深呼吸しながら生きてもいいんだ。

さ~~~て、どうしようか。


夕飯の買い物をしていたら、急に力がぬけて倒れそうになった。
やっとこさ家にたどり着き、荷物を取りに来てもらって、夕飯のご飯を炊いておくように頼んで、こたつではなく布団を敷いて寝ることにした。

疲れた。。。。。ただただ寝たい。


2時間ほど寝た。


起きて夕飯を作った。
なんだか、軽くなってる。
何かが軽くなってる。


たぶんこれからも変わらず過ごすのだろうけど、
何かが違う気がする。

少なくとも
こうあらねばならない
という未来はもうどこにもない。
息子たちを優柔不断な気持ちでもって、その責任をとらなくてはと、こうあらねばならない未来に向かって頑張ってきた自分は卒業だ。

ほんと
さ~~~~~て、どうしようか。。
どうにでもなるし、どうにでもなってもいいし。
あ~~どうでもいいって、軽いな~~~
こんな感覚生まれて初めてかもしれない。


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