歯車がかみ合う場所が変わったかも。「新薬」が出た。

通っている病院の駐車場。
いつもは、入って左の駐車場に止めている。誘導係のおじさんがいても左側を案内されてきた。ここ数年毎月のように通っている病院で。

昨日、誘導係のおじさんに「右側」の駐車場に案内された。
たかだか駐車場なのだけれども、「いつもと違う」というのはなんだか変な気分。
でも、なんとなく、運命が変わったような、何かのスイッチが入ったような、そんな気分になった。
「カチッ」と音さえした気がした。

いつものように予約表を受け取り、診察の順番を待ち、テレビを見ていたら、いつもNHKのあさイチをやっているのに、石川テレビが入っていた。

順番を呼ばれ、診察室に入る。
いつものように問診を受け、ナローバンドを浴びる準備をして、まるで棺桶か冷蔵庫のような機械の中に入ってスイッチが入った時に先生が言う。

「伊藤さん、注射の話僕したっけ?」

注射と聞いて思わず目をあけてしまう。
ナローバンド照射中は専用のサングラスをして目を閉じていないといけないのに、注射が嫌いなもんでつい体が反応してしまった。

「いえ、聞いてません」
「そう、じゃ、あとからお話するね」

55秒のナローバンドの照射を終えて、ほとんど全裸状態からまた服を着て先生のところに戻る。

「これだけど」
と先生が一冊の冊子を手渡してくれた。
今年4月に発売された「新薬」の冊子で、先生は前日大阪に行ってこの新薬のセミナーに参加してきたところだといった。

アトピー性皮膚炎の重症患者のための新薬が、私のような重症のよう疹にも効果があるという説明だった。発症から約20年去年のナローバンド治療も私にとって画期的で夢の治療だったけれども、それ以上のものがでたようだ。
頭の中では、20年前の何もなかった腕や足をひらひらさせている自分が光とともに踊っていた。

「ただね、高いんだよこの薬」
と先生は言う。

1本8万円。保険適用でも24000円。
1回目に2本そのあと2週間に一度の注射を半年間続けなくてはいけない。
ざっと、35万はかかる。
1か月目は高額医療適用になるけれども、毎月約5万円~75000円の負担となる。
来年になったら、自分で家で注射ができるようになるらしく、そうなるとまとめて注射を処方されるのでその時には高額医療でずいぶん戻ってくる。

自分で注射をする。
と聞いてちょっとぞっとしたけれども。

すぐに返事をしたい性分をわかってか
「じゃ、この冊子をお渡ししておくから、読んでじっくり決めればいいですよ」
と先生は言う。

家に帰って冊子を見ると、注射の場所を毎回変えないといけないとか、なんだか面倒なことがいっぱい書いてある。
でも、頭の中ではまだ、きれいになった私がひらひらと踊っている。

痒くて寝れないことも
パジャマやシーツや、洋服が血でにじむことも
お風呂に入るたびに醜い自分にぞっとすることも
夏になっても長袖を着ないと恥ずかしいことも
薬でムカムカすることも

なくなる日が来る。自分の未来にそれが可能になるかもしれない。
でも35万円(笑)

「先生、絶対治りますか?」
とつい聞いてしまった。
「絶対とは言えないねぇ」と笑う先生
「ですよね」とつい苦笑いしてしまう私。

でも、いつ抜けるかわからない、もしかしたら一生このままとあきらめていたかもしれない私の未来に一点の光が差した。

でも35万(笑)

ブルゾンちえみの「キャリアウーマン」がなっている。

でも、350万でないし。
もちろん、35億でもない。

でも、35,000円だったらよかったのにな。


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